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2020.07.01お知らせ

抗体検査普及に向けた価格改定のお知らせ 1,200円/1キット(税別)~

 

米国FDA緊急使用認可を最初に取得の新型コロナウイルス抗体検査キット 低価格で販売開始へ
1キット1,200円から 本格的な経済活動再開に向け自己負担額軽減を目指す

中国をはじめ世界に向けて日本の医療アウトバウンド支援を行うメディカルエクスポート合同会社(本社:東京都調布市)は7月1日より、米国FDA(食品医薬品局)の緊急使用認可(EUA)を最初に取得した米国Cellex社製新型コロナウイルス抗体検査キット「qSRAS-CoV-2 IgG/IgM Cassette Rapid Test」(以下、本製品)の販売価格を改定。1キットあたり1,200円~1,650円(税別。販売価格は注文数により変動)の低価格で販売開始いたします。

7月1日からの本格的な経済活動再開に向けて個人や企業の抗体検査に対するニーズが急増する中、海外承認取得済みの抗体検査キットを低価格で医療機関に納入することで、個人・企業の自己負担額を軽減するとともに、抗体検査が有する新型コロナウイルス感染歴のスクリーニング機能の普及を目指していきます。

米国Cellex社製新型コロナウイルス抗体検査キット 特設サイト https://medical-exp.com/cellex/

  • <改定後の販売価格 ※税別>

25キット / 50キット / 75キット / 100キット 1,650円 / 1キット
125キット以上 1,200円 / 1キット

米国Cellex社製新型コロナウイルス抗体検査キット「qSRAS-CoV-2 IgG/IgM Cassette Rapid Test」

米国Cellex社製新型コロナウイルス抗体検査キット「qSRAS-CoV-2 IgG/IgM Cassette Rapid Test」

 

本製品は、米国で医療用検査機器を専門に開発するバイオテクノロジー企業のCellex社(米国ノースカロライナ州)が開発し、2020年3月25日にCEマーク(EU加盟国基準適合)を、同年4月1日には新型コロナウイルスの抗体検査として初めて米国FDAの緊急使用認可を取得。当社は国内で唯一Cellex社から正規代理店の認定を受け、先月から注文数に応じて1キットあたり1,650円~2,500円(税別)で販売していました。これまでの販売実績は約5,000キットで、全国の医療機関や特別養護老人ホームなどすでに30カ所以上で使用が進んでいます。

  • 抗体検査実施の臨床的意義について医師のコメント

新型コロナウイルスの抗体検査は検査実施時点の感染有無を判断することはできず、抗体検査薬の精度にもばらつきがあるためWHOも診断を目的として単独で用いることは推奨していません。一方、現在国内で新型コロナウイルス感染症の診断用に保険適応されているPCR検査・抗原検査は、検査処理能力の制限と公費負担の増大を回避するため原則として無症状者には実施されておらず、抗体検査は無症状者が感染拡大防止のために活用できる唯一の指標となっています。

本製品を使用し今年6月から抗体検査を実施する九段下駅前ココクリニック(東京都千代田区)の院長で、医学博士の石井聡医師は「海外からの輸入に頼らざるを得ない現状では、厳格な監査制度が確保されている米国FDAのEUAを取得している検査キットは検査精度・安全性が一定程度担保されており、新型コロナウイルスの感染歴を調べる一つの検査として意義がある。また、15分という短時間で検査結果が出るのも有用だ。しかし臨床試験結果では擬陽性が出る可能性も約4%あることから、全くの無症状で陽性が出た場合にPCR検査や免疫測定法による別の抗体検査を行うといった対応を用意することも必要である。さらに、検査精度の確保や検査結果に対する解釈が難しい場合もあるため、医療機関で検査を受ける方が望ましい。」と医師としての見解を示しています。

九段下駅前ココクリニック 石井聡院長

九段下駅前ココクリニック 石井聡院長

 

  • 価格改定の背景と販売見込み

現時点で国内では、体外診断用医薬品として承認を得た抗体検査薬はなく、海外で開発された抗体検査薬が研究用試薬として医療機関に流通しています。そのため、抗体検査は保険適用のない自由診療として提供されており、その検査費用は個人や企業が全額自己負担しなければなりません。そして抗体検査実施のニーズが急拡大している現在では、多くの企業が抗体検査薬の輸入、販売を行っています。加えて、中間卸業者も多数存在することから、医療機関向けの販売価格は1キットあたり3,000円前後と高止まりし、結果として個人や企業が1回の検査につき1万円以上の検査費用を負担しなければならないところも多く、その経済的負担の大きさから抗体検査は広く普及するに至っていないのが現状です。

そこで当社は、Cellex社の日本における正規代理店の強みを活かし、医療機関向けの販売に中間卸業者を排除することで本製品の低価格販売を実現いたしました。また、医療機関の在庫リスクの不安による検査費用の高額化も緩和するため、25キット単位での小ロット購入にも対応します。

現在、来月からの本格的な経済活動再開を前にした企業からの従業員に対する抗体検査の実施依頼が納入先医療機関に殺到しています。また、多くの感染症専門家により、秋以降の新型コロナウイルス感染の再拡大が警告されていることから、今後も抗体検査に対する更なるニーズの拡大が予想されます。そこで、当社はこれらの状況を鑑み、2020年末までに50万キット(※)の販売を見込んでいます。
※総務省・労働力調査の正規職員・従業員数3,508万人に、三大都市圏の人口割合(51.8%)を掛け合わせ、三大都市圏の正規労働者の3%が本製品を使用して抗体検査を実施すると仮定して算出。

別紙参考資料:

  • 本製品「qSRAS-CoV-2 IgG/IgM Cassette Rapid Test」の特徴

本製品は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症が疑われる患者の血清、血漿、または静脈穿刺全血検体中のSARS-CoV-2に対するIgMおよびIgG2抗体の、医療提供者による定性的検出および鑑別を目的とした簡易抗体検査キット(ラテラルフローイムノアッセイ)です。約10μlの検体(血清、血漿または全血)と希釈液2滴を検査カセットに滴下することにより、15~20分でIgMおよびIgG2抗体の有無を検査することができます。新型コロナウイルス感染症では、発症から1~2週間後にIgMとIgGの2種類の抗体が作られ、その後血液中に数週間~数カ月存続します(IgM抗体は発症4週間後より先に減少)。そこで、抗体検査により血液中のIgM・IgGが陽性かどうかを調べることにより、新型コロナウイルスへの感染歴と、おおよその感染時期(IgGのみ陽性の場合は感染から一定期間の経過が予想される等)を調べることができるとされています。

本製品の検査精度については、RT-PCR法によってSARS-CoV-2感染陽性と判定された98の陽性血清・血漿サンプルを含む全378サンプルを使用した臨床試験では、感度(陽性一致率)は93.75%(95%CI:88.06~97.26%)、特異度(陰性一致率)が96.40%(95%CI:92.26~97.78%)という結果が得られ、2020年4月1日には新型コロナウイルスの抗体検査として初めて米国FDA(食品医薬品局)の緊急使用認可(EUA)を取得しています。

臨床試験データ(出典:米国FDAサイト)

臨床試験データ(出典:米国FDAサイト)

 

  • 厚生労働省実施の「抗体保有調査」で使用された免疫測定法との比較

厚生労働省は6月より、東京都(3区)・大阪府・宮城県の各都府県において無作為抽出により選ばれた一般住民約3,000人を対象に、新型コロナウイルスに関する抗体検査を実施し、測定機器として同じく米国FDAの緊急使用認可を取得している米・アボット社とスイス・ロシュ社の抗体検査薬(いずれも免疫測定法)が使用されました。

これら2製品は、本製品とともに本年5月4日に米国FDAが発表した「EUAで承認されたCOVID-19の血清学的検査の性能評価」において感度、特異度とともに、抗体保有率=5%における陽性的中率(PPV)・陰性的中率(NPV)が評価されており、高い検査精度が確認されています。しかし、これら2製品の免疫測定法はともに指定の分析装置による分析が必要で、多くの医療機関は検査受託会社に検査委託をしなければなりません。そのため、検査期間に2~4日間を要することが本製品と大きく異なる点です。

米国FDA「EUAで承認されたCOVID-19の血清学的検査の性能評価」(2020年5月4日)

(出典 https://www.fda.gov/medical-devices/emergency-situations-medical-devices/eua-authorized-serology-test-performance

Cellex qSRAS-CoV-2 IgG/IgM Cassette Rapid Test

開発者: 米・Cellex社
検査: qSRAS-CoV-2 IgG/IgM Cassette Rapid Test
技術: ラテラルフロー法
対象: スパイクおよびヌクレオカプシド

抗体 性能の指標 性能の推定値 95% 信頼区間
IgM/IgG 感度 (PPA) 93.8% (120/128) (88.2%; 96.8%)
IgM/IgG 特異度 (NPA) 96.0% (240/250) (92.8%; 97.8%)
IgM/IgG 抗体保有率=5%でのPPV 55.2% (39.2%; 69.8%)
IgM/IgG 抗体保有率= 5%でのNPV 99.7% (99.3%; 99.8%)

 

Abbott Architect SARS-CoV-2 IgG

開発者: 米・アボット社
検査: Architect SARS-CoV-2 IgG
技術: 化学発光免疫測定法
対象:ヌクレオカプシド

抗体 性能の指標 性能の推定値 95% 信頼区間
IgG 感度 (PPA) 100% (88/88) (95.8%; 100%)
IgG 特異度 (NPA) 99.6% (1,066/1,070) (99.0%; 99.9%)
IgG 抗体保有率=5%でのPPV 92.9% (83.4%; 98.1%)
IgG 抗体保有率= 5%でのNPV 100% (99.8%; 100%)

 

Roche Elecsys Anti-SARS-CoV-2

開発者: スイス・ロシュ社
検査: Elecsys Anti-SARS-CoV-2
技術: 電気化学発光免疫測定法
対象:ヌクレオカプシド

抗体 性能の指標 性能の推定値 95% 信頼区間
Pan-Ig 感度 (PPA) 100% (29/29) (88.3%; 100%)
Pan-Ig 特異度 (NPA) 99.8% (5,262/5,272) (99.7%; 99.9%)
Pan-Ig 抗体保有率=5%でのPPV 96.5% (93.9%; 98.1%)
Pan-Ig 抗体保有率= 5%でのNPV 100% (99.4%; 100%)

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