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中和抗体とは

ABOUT NAb

新型コロナウイルスの中和抗体とは?

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新型コロナウイルス(SARS-Cov-2)は、ウイルスの表面にあるスパイクタンパク質がヒトの細胞膜上のACE2タンパク質と結合する事をきっかけに細胞への侵入を開始します。そして、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質に結合し、ACE2との結合を阻害する作用を持つ抗体は「中和抗体」と呼ばれ、一般的な抗体とは異なります。

ファイザー社製をはじめとする新型コロナウイルスのmRNAワクチンは、接種によりmRNAがヒトの細胞内に取り込まれると、このmRNAを基に細胞内でウイルスのスパイクタンパク質が産生され、スパイクタンパク質に対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導されることで、SARS-CoV-2による感染症の予防ができると考えられています。(※)

※参照:厚生労働省HP「ファイザー社の新型コロナワクチンについて」

中和抗体とIgM / IgG抗体の違いは?

DIFFERENCE

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染すると、体内ではウイルスに結合する様々な抗体がつくられます。そして、抗体の中でもウイルスに結合して細胞に侵入するのを妨害する効果を有する抗体は「中和抗体」と呼ばれます。ヒトの抗体にはIgM、 IgD、IgG、IgA、IgE の5種類があり、SARS-CoV-2の感染症では感染初期にIgM抗体が、その後にIgG抗体が作られることから、過去の感染の有無を検査するためのIgM / IgGに関する抗体検査(キット)が用いられてきました。

免疫記憶を担う抗体は主にIgG抗体であることから、従来はIgG抗体=中和抗体と考えられてきました。しかし、広島大学・京都大学の共同研究グループは、新型コロナウイルスに感染し、回復した重症度の異なる患者(23歳から93歳)を対象に血液を採取し、血清中に含まれる抗体の分析を行ったところ、感染から2週間以上が経過している全ての回復患者がIgG抗体を獲得しているにも関わらず、その約4割はウイルスを中和する活性が弱いか、検出感度以下であることを究明し、IgG抗体=中和抗体であるとは必ずしも言えない事が判明されました。

※参照:広島大学HP「【研究成果】新型コロナウイルス変異株を無力化する中和抗体を10日間で作成する技術を国内で初めて開発〜新たな変異ウイルスの拡大に備えた抗体医薬へ期待〜(動画あり)」

ワクチン接種後、どのくらいで中和抗体ができるか?

AFTER INOCULATION

ファイザー社製ワクチンの接種で十分な免疫ができるのは、2回目の接種を受けてから7日程度経って以降とされています。同社が海外6か国で行った臨床試験では、約4万人の被験者を対象に、2回目の接種後7日以降の発症の有無が比較されました。その結果、過去に新型コロナウイルスの感染歴がない場合で95.0%のワクチン有効率が確認されました。(※1)

また、横浜市立大学の研究では、日本人のワクチン接種者111名(未感染105名、既感染6名)を対象に、ファイザー製ワクチンの有効性について、中和抗体(液性免疫)の保有率という観点から調査を実施。未感染者でワクチン2回接種した人のうち、99%の人が従来株に対して中和抗体を保有しており、また、流行中のN501Y変異を有する3つのウイルス株(英国、南アフリカ、ブラジルで初めて確認された株)に対しても、90~94%の人が中和抗体を有していることが確認されました。なお、中和抗体の上がり方については個人差があり、特に1回接種のみでは、変異株に対して中和抗体が産生されない人が一定数存在したことも明らかになっています。(※2)

※1参照:厚生労働省HP「ファイザー社の新型コロナワクチンについて」
※2参照:横浜市立大学HP「新型コロナ変異株に対するワクチン接種者の約9割が 流行中の変異株に対する中和抗体を保有することが明らかに」

新型コロナウイルスワクチンによる中和抗体はどのくらい存続する?

HOW LONG

新型コロナウイルスワクチンによる中和抗体(ワクチン接種の有効性)がどのくらい存続するかは、現在も国際的な臨床試験が継続中であり、現時点では正確な存続期間は判明していません。しかし、米・ファイザーと独・ビオンテック社によるCOVID-19に対するワクチンの国際共同第3相試験の最新の解析結果によると、2回目接種から6か月間の発症予防効果は91.3%であり、高い有効性が存続していることが確認されました。

ままた、重度の感染症発症予防効果については、本ワクチンは、米国疾病予防管理センター(CDC)の定義に基づく重度のCOVID-19に対して100%、米国食品医薬品局(FDA)の定義による重度のCOVID-19に対して95.3%の発症予防効果を示しました。(※)

※1参照:ファイザー社HP 報道関係の皆様:プレスリリース2021年

中和抗体があれば全く感染しないか?

INFECTION RATE

2回のワクチン接種を完了しているにもかかわらず新型コロナを発症することを「ブレイクスルー感染」と呼び、日本や海外においてこの「ブレイクスルー感染」が報告されています。そして、米国疾病予防管理センター(CDC)は、「新型コロナワクチン接種者のうち5,800人が新型コロナを発症した」と発表しました。(※1)

この報告につき、感染症専門医の忽那賢志先生は、コラムで「ワクチン接種したのは7,700万人のうちコロナに感染したのが5,800人、重症化したのが396人、亡くなったのが74人ということですので、新型コロナワクチン接種者のうち、

0.008%の人が新型コロナに感染
0.0005%の人が重症化
0.0001%の人が亡くなった

ということになり、頻度としては極めて低いことが分かります。ワクチンの予防効果は100%ではありませんので、接種しても新型コロナを発症することはありますが、mRNAワクチンは発症リスクを95%防ぎ、重症化を94%減らすことができます。」と解説しています。

また、同コラムでは、「2名のブレイクスルー感染者から検出された新型コロナウイルスから、臨床的に重要であると思われる変異が見つかった」ことも紹介し、免疫逃避と呼ばれるE484K変異を持つ変異株が東京都内でも広がっていることから、「2回のワクチン接種を完了していても感染対策は引き続き行う必要があります」と感染症専門医のお立場から注意を呼びかけられています。(※2)

※1参照:BMJ Covid-19: US reports low rate of new infections in people already vaccinated
※2参照:忽那賢志医師コラム 新型コロナワクチン接種後に新型コロナに感染した「ブレイクスルー感染者」の特徴とは